1950年代リバプール。
窓やドアのクリスマスの飾りが次々に映し出されるシーン。
おそらく、いくつかの年の飾りを映し出しているのだろう。
飾りが少しづつ変わっている。
ある年の窓辺は、白と赤のリボンを垂らしてモミの木の枝を飾る。
ある年のドアは、クリスマスリースを飾る。
ある年のドアは、柊の葉を飾る。
ある年の窓辺は、ペーパーボールのオーナメントを飾る。
そして室内にはクリスマスツリーを飾る。
オーナメントボールも、モールも多分安物。
ツリーは本物のもみの木だけど、枝が伸びて不恰好。
だけど、窓やドアの飾りもツリーもすごく暖かい感じがする。
とても素敵に思う。
映画というフィルターを通して見ているから、おしゃれに感じるのだとは思うけど、近年のゴージャスなデザインの値段の高いオーナメントとは違う、本来の美しさを感じる。
イギリスという国や1950年代という時代もノスタルジックな雰囲気を増長しているのだろう。
それでも、この素朴な(一見ダサくて不恰好な)クリスマスの飾りたちのなんと素敵なことか。
それから、ウィンドウオーナメントは、その家に住む者のためではなく、外を通る人たちのために飾るのだと再認識。
出典:「遠い声、静かな暮らし」
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